キャブレターの話001

  
というわけで軽くイメージしているモノを言葉にしていきます。
実践して経験値にしていけば良いのですが、
「何かをデザインする」という職業柄、まずイメージから
入ります。まぁ、イメージから入ると、色々手も動きやすくなりますし・・・
  
キャブレターの基本構造はその他多くのページでも紹介されています。
しかし、私はハッキリ断言できる経験値はありませんので、
まずは、キャブレターの構造よりも「大気」という部分から攻めたい
と思います。
  
「季節・場所によって異なるセッティング」
まず、空気中の酸素と水分(湿度)に焦点を当てて考えてみます。
  
キャブレターの空気流入口の大きさは、1台のキャブレターで
セッティングを出す場合、同じです。FCR35なら口径32mm程度
の穴を空気が弁の開閉分だけ流れていきます。
エアクリーナが同じなら、空気の入ってくる量は開閉が同一
なら同じ量ということになります。
  
で、気圧などの条件を除き、エアクリーナー・マフラーが
常に同一条件であるならば、キャブレターのジェット・スクリュー
から流入するガソリン量も誤差はあれ、ほぼ同一。
では何が何が違うのか?
物質は燃える(酸化)するとき必ず酸素が必要です。
ガソリンの燃える量が増えれば、多くの酸素が必要になり、
ガソリンの燃える量が少なくなれば、より少ない酸素で燃焼できます。
  
勘の良い人はもうお気づきかもしれません。
ガソリンの量が一定で、かつ流入する大気の量も一定。
しかし、キャブレターのセッティングは異なる。
というこは、「酸素量の違いではないのか?」
とおもむろに想像します。
  
東京の場合2つの季節にしぼって考えると、
夏>気温:高い 湿度:高い
冬>気温:低い 湿度:低い
このような変化がります。
  
夏場は湿度が高く、気温も高いです。
単位体積辺りの空気の「湿度が上がる」と、その他の窒素や酸素は減少します。
また気温が高い状態であれば、分子の運動量も上がります。
簡単に言うと、中学校の理科でやった物質の三態です。
水に置き換えて考えると、
0度の状態で水は氷になります。固体ですので密度は高くなります。
温度が上がるにつれて水(液体)になります。
温度というエネルギーを得て、分子は活性化し、密度は下がります。
気体になれば、より密度がさがります。
  
よって、酸素は気温が低ければ、密度が上がり、高ければ、下がります。
キャブレターで言うと、
気温が上がる=酸素が薄くなる。
気温が下がる=酸素が濃くなる。

湿度が上がる=酸素が薄くなる。
湿度が下がる=酸素が薄くなる。
  
厳密に言えば、正確ではないですが、あくまでキャブレター
ということでご容赦下さい。
  
で、
夏=気温高い:湿度高い=酸素薄い:酸素薄い
冬=気温低い:湿度低い=酸素濃い:酸素濃い
  
という感じになります。
これを今度はガソリンに置き換えて考えて見ましょう。
キャブレターが同じガソリンの量噴射し続けているのであれば、
  
・酸素が「濃い」ならばガソリンの一定量に対して、酸素の量が増える
 シリンダー内のガソリンが足りず「薄い」症状が出ます。
・逆に酸素が「薄い」ならばガソリンの一定量に対して酸素の量が減る
 シリンダー内のガソリンが余るので「濃い」症状が出ます。
  
夏=気温高い:湿度高い=酸素薄い=ガソリン濃い
冬=気温低い:湿度低い=酸素濃い=ガソリン薄い

一部分だけ簡単に捕らえるとこんな風にイメージできるのではないでしょうか?

とりあず1回目のイメージを言葉に置き換える作業は一旦終了です。
次回は「場所」と「エアクリーナー・マフラー」の¥も絡めて
言葉にしてみようと思います。